まんどれーく (マンドレーク)
学名 |
Mandragora officinarum |
日本名 |
マンドレーク |
科名(日本名) |
ナス科 |
日本語別名 |
マンドラゴラ、マンダラゲ(曼陀羅華)、コイナスビ(恋茄子) |
漢名 |
茄參(カシン,qiéshēn) |
科名(漢名) |
茄(カ,qié)科 |
漢語別名 |
曼陀羅華(マンタラカ,màntuóluóhuā) |
英名 |
Mandrake, Mandragora |
2007/03/04 薬用植物園 |
|
2007/04/06 薬用植物園 |
|
2007/04/19 薬用植物園 |
2007/05/10 同左 |
2007/05/26 同左 |
|
|
|
辨 |
マンドラゴラ属 Mandragora(茄參 qiéshēn 屬)には、中国西南・ヒマラヤ・中央アジア・地中海地方東部に3-4種がある。
M. autumnalis 地中海地方・西アジア産
M. caulescens(茄參・曼陀茄・向陽花)『雲南の植物Ⅰ』243・『雲南の植物』196・
『中国本草図録』Ⅴ/2304、四川・雲南・青海・ヒマラヤ産
『中草藥現代研究』Ⅱp.542 『全國中草藥匯編 上』pp.363-364
subsp. purpurascens(茄參) 『中国本草図録』Ⅷ/3795
マンドレーク(マンダラゲ・コイナスビ) M. officinarum(茄參) 北イタリア・バルカン産
|
ナス科 Solanaceae(茄 qié 科)については、ナス科を見よ。 |
訓 |
和漢の曼陀羅華(まんだらげ, màntuóluóhuā)は、ともに英名 Mandrake・学名 Mandragora の音写。
和漢いずれが早くこの訳語を作ったのかは、筆者は未確認。手許の『英華大辭典』(商務印書館、1st ed.,1920;5th ed.,1925)には、Mandrake の訳語として「曼陀羅華」のみを上げている。 |
和名・漢名を曼陀羅・曼陀羅華と呼ぶ植物については、デイコを見よ。 |
説 |
ペルシア原産か。のち地中海地方に広がる。 |
誌 |
古来有名な毒草。 |
聖書の時代から、催眠剤・幻覚剤引いては媚薬として用いられてきた。
『旧約聖書』創世記30に、 |
小麦の刈り入れのころ、ルベンは野原で恋なすびを見つけ、母レアのところへ持って来た。ラケルがレアに、「あなたの子供が取ってきた恋なすびをわたしに分けてください」と言うと、レアは言った。「あなたは、わたしの夫を取っただけでは気が済まず、わたしのむすこの恋なすびまで取ろうとするのですか。」「それでは、あなたの子供の恋なすびの代わりに、今夜あの人があなたと床を共にするようにしましょう」とラケルは答えた。夕方になり、ヤコブが野原から帰って来ると、レアは出迎えて言った。「あなたはわたしのところに来なければなりません。わたしは、息子の恋なすびであなたを雇ったのですから。」その夜、ヤコブはレアと寝た。神がレアの願いを聞き入れられたので、レアは身ごもってヤコブとの間に五人目の男の子を産んだ。 |
And Reuben went in the days of wheat harvest, and found mandrakes in the
field, and brought them unto his mother Leah. Then Rachel said to Leah,
Give me, I pray thee, of thy son's mandrakes.
And she said unto her, Is it a small matter that thou hast taken my husband?
and wouldest thou take away my son's mandrakes also? And Rachel said, Therefore
he shall lie with thee to-night for thy son's mandrakes.
And Jacob came out of the field in the evening, and Leah went out to meet
him, and said, Thou must come in unto me; for surely I have hired thee
with my son's mandrakes, And he lay with her that night. |
『同』雅歌7に、 |
恋なすは香り、
そのみごとな実が戸口に並んでいます。
新しい実も、古い実も
恋しい人よ、あなたのために取っておきました。 |
The mandrakes give a smell, and at the gates are all manner of pleasant
fruits, new and old, which I have laid up for thee, O my beloved. |
以上、和文は新共同訳(1987)、英文は King James version(1611)。 |
|
|
|